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AKB48を卒業した前田敦子が、来年秋公開の映画『一九〇五』で本格的な国際女優デビューを果たすことが明らかになった。国内外から注目を浴びる黒沢清が監督を務める本作には、世界的スターとして知られるトニー?レオン、そして松田翔太が出演。前田と松田は、中国語のせりふにも挑戦するという。
本作は1905年の横浜を舞台に、二人の男(トニー、松田)と一人の女(前田)の運命が絡み合うさまを描いたアクション映画。前田が演じるのは、トニー演じる主人公に大きな影響を与え、物語の要となる女性?宮子。出演にあたっては「世界を舞台に活躍されている黒沢清監督の作品に参加できることに、とてもワクワクしています。そして、トニー?レオンさん、松田翔太さんとご一緒できることも、すごくうれしく思います。女性のあらゆる魅力を持っている宮子を、全力で演じたいと思います。女優としての素晴らしい経験になるように、頑張ります。」と意気込む。
篠原弘子プロデューサーは、宮子役のキャスティングが難航していたことを告白。そんなときに観た2007年の映画『あしたの私のつくり方』をきっかけに前田に白羽の矢を立てたといい、「(映画を観たときに)『宮子がいた!』と叫んだのです。往年の大女優が持っていたような大きさ、強さを兼ね備えた、類まれな女優だと思います。この映画でどこまでその成長が見られるか、楽しみです」と期待を寄せている。
また、トニーにとっては本作が初の日本映画出演にして主演。このプロジェクトは、トニーと黒澤監督の出会いから始まったといい、トニー自身「あらゆる瞬間に至るまで、この貴重な体験を楽しみたいと思っています」とコメント。また、世界的スターであるトニーと対峙できる大きさを持った日本の若手俳優という条件を見事クリアし、その相棒役に抜てきされた松田は「脚本をいただいたときにゾクゾクとしました。この映画のスケールの大きさや、キャストのすごさにも驚きましたが、この脚本で黒沢監督に会えると思うとうれしくて仕方がありません」と心境を明かしている。
黒澤監督は、このキャスト陣について「この映画のために、夢のようなキャスティングが実現しました。わたし自身、まだ信じられないくらいです。恐ろしく魅惑的な三人の俳優たちが言葉、年齢、性別を超えて魂と魂をぶつけ合うことになるでしょう。そのお膳立てができるなんて、監督冥利につきると言うものです」と自信。同時に、「100年前の横浜は驚くほど国際的な街だったようで、そこに流れ着いた人々の思惑が国籍を超えて激突するさまを物語の軸に据えてみました。彼らが経験する絶望と希望とは、わたしたちが今現在、そして未来に向けて抱えている様々な問題とずばり直結しており、今これを撮る意義もそこにあるのだと思っています」と作品について語っている。
撮影は今年11月にクランクインし、来年1月にクランクアップ予定。日本と台湾で大規模ロケを行うといい、来年秋の目玉として注目を浴びること間違いなしの作品だ。(編集部?福田麗)
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スポーツ報知?9月10日(月)8時3分配信
俳優?松田翔太(27)と元AKB48の前田敦子(21)が、香港を代表する俳優トニー?レオン(50)主演の映画「一九〇五」(黒沢清監督、来秋公開予定)に出演することが9日、発表された。1905年の横浜を舞台に国境を超えた友情を描く同作は、すでに香港、台湾での公開が決定。さらに全世界での配給に向けてプロジェクトが進められている。松田と前田にとっては“世界デビュー”が約束された形となった。
若手俳優として着実にキャリアを積み上げている松田、「AKB48」を卒業し、夢だった女優への道を本格的に歩き始めた前田が、香港のトップ俳優とタッグを組み、世界を目指す。
「一九〇五」は、黒沢監督が初めて挑む外国語作品。09年に香港で開催された「アジア映画賞」で、黒沢監督の「トウキョウソナタ」が大賞を受賞した際、トニーと言葉を交わしたことが、2人の出会いだった。
ひかれ合うものを感じた2人はその後、トニーが来日した際に話し合いの場を持ち、企画を温めてきた。それが作品として結実。「あらゆる瞬間に至るまで、この貴重な体験を楽しみたいと思っています」と、トニーはコメントした。
松田が演じるのは、中国からやって来た高利貸し?ヤン(トニー)が追う5人の男を、別の目的でマークする任務を持つ国粋主義者?加藤。流ちょうな中国語を話せる、という設定のため、現在は猛勉強中。「脚本を頂いた時にゾクゾクとしました。今の自分に自信を持って、撮影を楽しみたい」とクランクインの日を待ち構えている。
一方、AKB卒業後初の映画出演となる前田は、2人の男をとりこにし、人生に影響を与えていく「運命の女」宮子役。カタコトながら、松田と同じく中国語にも挑戦する。「女性のあらゆる魅力を持っている宮子を、全力で演じたいと思います」と、意気込みを見せている。
トニーはアジアでの人気はもちろん、出演作「悲情城市」が89年のベネチア国際映画祭で金獅子賞(グランプリ)を獲得したり、02年の「インファナル?アフェア」がマーティン?スコセッシ監督の手によって「ディパーテッド」としてハリウッドでリメークされるなど、世界的知名度を誇っている。現在、海外公開が決定しているのは香港、台湾だけだが、黒沢監督の人気と相まって、欧米での公開が実現する可能性は高く、松田と前田の名前が世界に知られる可能性が広がる。
クランクインは11月。撮影は日本と台湾で行われ、台湾にはオープンセットも組まれる予定になっている。
◆黒沢 清(くろさわ?きよし)1955年7月19日、兵庫県生まれ。57歳。80年、「しがらみ学園」が「ぴあフィルムフェスティバル」に人賞して注目される。83年、ピンク映画「神田川淫乱戦争」で監督デビュー。97年の「CURE」で世界的知名度を得る。00年、「回路 Pulse」でカンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞、08年の「トウキョウソナタ」で同映画祭のある視点部門審査員賞を受賞。「リアル~完全なる首長竜の日~」が来年公開予定。
◆映画「一九〇五」 5人の男に貸した金を取り立てるため横浜にやってきた高利貸し?ヤンは、日本人の若者?加藤と出会う。国粋主義者のグループ「報国会」のメンバーだった彼は、中国人革命家を強制送還する任務を言い渡されていたが、革命家はヤンが追う5人のことだった。お互いの中に同じものを見た2人は、国境を超えた奇妙な友情を持ち始める。そんな時、ヤンの前に小動物のような愛らしさと律義さを持つ娘?宮子が現れた―。
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