3日に放送された『2014 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)について、出演者の“口パク疑惑”が物議を醸している。自らも出演したGLAYのTERUは番組終了直後、自身のTwitterで「ちょっとがっかり…」「ボーカリストが見ると分かるんです」と、口パクを連想させるツイートを投稿。また東野幸治も「あれ?毎年の楽しみのFNS歌謡祭が口パクになっている…」と、正面から疑問を呈していた。同番組については昨年3月、当時プロデューサーであったきくち伸氏が、担当番組に「口パク禁止令」を宣言したことが話題になっていたものだが……。
「かねてから伝えられているように、きくち氏は今年6月でCSの番組に異動となっています。そのため『口パク原則NG』だったはずのフジ音楽番組も、当然解禁となりました。きくち氏の異動に関しては、生歌を嫌がるアーティストの所属プロダクション、特に権力を持っているジャニーズ事務所による“圧力”ではないかという説も出ていました」(週刊誌記者)
またきくち氏は、「音楽番組を牛耳る大物プロデューサーとして、キャスティングから演出まで全ての権限を握っており、フジ上層部からも煙たがられていた」(同)という話も。しかしそもそもきくち氏の異動のきっかけとなったのは、ジャニーズやフジによる圧力ではなく、ある芸能プロダクションとの“トラブル”が発端だったという。
「実は昨年、あるフジの音楽番組にウエンツ瑛士と小池徹平のユニット?WaTが出演した際、こんな出来事がありました。本番前のリハーサル中、WaTが予定していた時間に突然、ジャニーズ所属のグループが割り込む形で、先にリハを行ったんです。どういう理由でそうなってしまったかは不明ですが、突然数時間待ちぼうけにされてしまったWaTに対して、プロデューサー格のスタッフからの事情説明や謝罪もなかったため、関係者は大激怒だったそうです」(テレビ局関係者)
WaTのバックに控えているのは、“芸能界のドン”ことバーニングプロダクションの周防郁雄社長。そのため、このリハーサル時のフジの失態はタダでは済まされなかった。
「WaTは周防社長のお気に人りで、音楽の活動は特にしていなくても、『FNS歌謡祭』の常連となっています。そこでバーニングは、フジサイドにこの件について『どう責任を取るんだ』と働きかけ、結果的にフジ上層部としても目の上のたんこぶ状態だったきくち氏が“生け贄”になってしまった、というのが異動の真相なんだそうです」(同)
こうして地上波の番組制作から去ることとなったきくち氏だが、今回の『FNS歌謡祭』の視聴率は15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、きくち氏がプロデューサーに就任した2002年以降、最低を記録してしまった。低迷する視聴率を打開するべく行われたフジの大人事だが、思惑通りだったはずのきくち氏の異動は、結果的に自らの首を絞める形になってしまったかもしれない。