- 1900 - = =2018/5/6 11:05:36
5/6(日) 7:00配信
二宮和也主演、竹内涼真や内野聖陽らが脇を固めることでも、放送前から注目度の高かった日曜劇場「ブラックペアン」。視聴率、視聴者満足度ともに好調な滑り出しを見せ、今シーズン注目度ナンバーワンの呼び声も高い。
同僚から金を巻き上げ辞職に追い込むことを繰り返している外科医 渡海征司郎(二宮和也)。本作は、佐伯清剛教授(内野聖陽)および、渡海のもとで働く研修医?世良雅志(竹内涼真)のモノローグを交えながら語られる。
第2話は、最新医療機器 スナイプ手術での失敗によって高階権太(小泉孝太郎)の立場が悪化している様子から始まった。医局で陰口を叩かれ、居心地の悪い思いをしている高階。それをぶった切るように現れたのが渡海だった。「邪魔」と例の決め台詞とともに、同僚たちに小憎たらしい嫌みを言うことで、さりげなく高階をかばった渡海。渡海はとにかく、口先だけで技術のない医師を軽蔑している。高階と志は真逆でも、そんな彼が陰湿な悪口を言われていることに彼なりに腹を立てたのだろう。
今回のゲストは、世良の当直中に腹部大動脈破裂を起こし、運ばれてきた小山兼人(島田洋七)。オペは渡海が担当し、最後の縫合を世良に任せてみせたものの、世良は小さなミスで出血を起こしてしまった。小山は一命を取り留めたが「人ひとり殺したな」と渡海になじられ、世良はすっかり自信を喪失してしまう。第一話で、渡海に借りを作り「お前は俺のために一生ここで働け」と言われた事実を受け止めながら、何も出来なかったことを悔いる世良は純朴で、熱血だ。
無力さに打ち拉がれる世良という役柄は、これまで爽やかな役所を演じることの多かった竹内涼真の新境地と言える。自分が外科医になったら人を殺してしまうと心から悩む世良。外科手術というのは、本当に、本当に厳しい世界なのである。本作はその事実を、多少ドラマティックに誇張しているとはいえ的確に突いているだろう。渡海、高階、佐伯……あまりにも様々な人物の思惑が交錯しすぎて、もはや世良を見守る新人看護師?花房美和(葵わかな)の、不安そうだが優しいまなざしだけがこのドラマの癒しポイントである。
当直中に、心を開いて自分の悔しさを花房に吐露する世良。今後、世良と花房のロマンスももしかしたら期待できるかもしれない……。「一人前になれるよう私もがんばります」と笑顔で述べる花房であったが、大丈夫だよ! 本作と同じ海堂尊原作の「ジェネラル?ルージュの凱旋」では、君は救命救急センター看護師長になっているよ! ついでに言うと「チーム?バチスタの栄光」では高階は東城大学医学部付属病院院長になっているので、ご心配なく!
さて、小山は、高階が使用を推進するスナイプを使った僧帽弁置換手術をおこなうことになる。執刀医は関川文則(今野浩喜)、第一助手は柿谷雄次(内村遥)、第二助手には何と世良が指名された。オペ室付きの看護師(通称?オペ看)は猫田麻里(趣里)、そして花房である。手術の前は、患者がいちばん不安で怖い。そのことに気づいた世良は意を決して小山の再手術に挑む。世良の大きな成長の瞬間だった。
「神の手」と称される佐伯に、「神の手は必要ない」と帝華大学の西崎啓介教授(市川猿之助)は言う。いやあ、猿之助の禸付きの良いがっしりとした顔から放たれる嫌みときたら、たまらない。憎たらしさのあまり、猿之助が嫌いになりそうである。もちろん冗談だが、彼の存在感は素晴らしいの一言しかない。
しかし、「神の手」とは何だろうか? 患者や患者の家族にとっては「命を救ってくれた医師の手」こそが「神の手」なのではないだろうか? 論文を書くことで、立場を争いながらのし上がっていく医師たちは、本当に「神の手」の持ち主なのだろうか? しかし佐伯はあえて権力争いというゲームを楽しんでいるようなところがある。まだまだ佐伯の胸の内は読めない。
そして何を考えているのか読めないと言えば、治験コーディネーターとして物語の鍵を握っている木下香織(加藤綾子)である。淡々とスナイプの説明をする場面では、加藤の確かなアナウンス技術が発揮されていた。一癖も二癖もありそうなところといい、「一流が好き」と言い放つ上昇志向の強いところといい、筆者の中のカトパンのイメージそのままだ……。ドラマ初出演にして、当たり役なのではないか。
今回も、渡海を演じる二宮和也の存在感は凄まじかった。特に、かったるい会議を聞いている二宮の表情は見ものだ。わざと眠そうに目を閉じていたり、首を傾げたりしているだけなのに、あれほど雄弁さを感じるのはなぜだろう。それは、二宮の魅力が圧倒的に瞳、そして声色の演技にあるからだ。口の片方の端だけを歪めて笑う様子、何気なく目線を上げ下げする仕草など、ひとつひとつはさりげないが、オペ室でマスクをしていても、彼の瞳は見えるし声色は聞こえる。ドスの効いた声、無駄のない指示を出す彼の演技は、超実力主義の異端児の役柄にふさわしい。
通常、俳優は、ここぞというところで「怒り」の感情を爆発させることで演技力をアピールすることが多い。しかし、本作において二宮は表情筋をほとんど動かさないのである。「泣くぐらい怖いなら辞めろ」と世良に言い放った時さえ、彼は眉一つ動かさなかった。
同じく、オペ看である猫田の迫力も、控えめではあるが好ましい。彼女は、二宮と表情の表し方の系統が似ていることにより、ドラマにおける医師とオペ看としての相性がとてもいいと感じる。
ある意味で「ブラックジャック」的な存在の渡海であるが、彼は患者に金銭を要求することは決してない。ただ、力不足を自覚しない医師、あるいは慢心して患者の命を危険にさらした医師に対して容赦がないのだ。それが彼の正義なのだろう。
世良は、覚悟を決めて渡海に付いていくことにした。まだまだ駆け出しで、大学病院の権力闘争よりもおのれの正義に忠実な世良を、きっと渡海は気に人っているに違いない。しかし、ラストシーンで再び、ペアンの映り込んだ謎のレントゲンを見つめていた渡海の思いは、いったん何なのか……。先ほど筆者は「二宮は表情筋をほとんど動かさない」と書いた。しかし、あのラストシーンだけは、二宮は眉間に皺を寄せ、苦しそうな表情を見せていたのだ。緻密な演技、演出、そして緊迫感あふれるオペのシーン。本作の見所はまだまだ尽きない。
- 1901 - = =2018/5/6 11:07:14
5/6(日) 10:00配信
春ドラマで視聴率&満足度ともに好調なのが、嵐の二宮和也(34)が主演を務めるTBS日曜劇場「ブラックペアン」(日曜後9.00)だ。視聴率は初回13.7%で、第2話も12.4%と他のドラマが1桁台を記録する中、順調そのもの。視聴者の“満足度”という点でも申し分ないスタートとなった。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)
データニュース社(東京)が行っているテレビ視聴調査「テレビウォッチャー」(対象2400人)によると、満足度は初回3.82(5段階評価、高満足度基準3.7)と4月スタートのGP(ゴールデン プライム)帯ドラマでトップの高数値で、第2話もそれをさらに上回る3.89と高水準を保っている。
過去に映画化やドラマ化もされた人気シリーズ「チーム バチスタ」などで知られる海堂尊氏の小説「新装版ブラックペアン1988」が原作で、「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」などの大ヒット作を手掛けたチームが制作を担当。先の読めない医療サスペンスと濃厚な人間ドラマを融合させた意欲作だが、視聴者の満足度を高めているのは、これまでのイメージを覆すキャラクターを好演している主演 二宮の存在が大きい。
視聴者の感想を見ると「二宮君のヒール役が意外性があって良い」(40歳 男性)「ニノの冷たい雰囲気がおもしろい」(46歳 女性)「二宮君の無表情の中の表情が不気味でもあり、哀しそうでもあり…興味をそそられました」(61歳 女性)など、これまで好青年のイメージが強かった二宮だが、難しい手術に苦戦する医師に対して「退職金1000万でどうにかしてやる」と詰め寄り、見事手術を成功にさせるなど、悪魔のようななセリフを放ちながら、天才的な腕を持つ医師というダークヒーロー像に、多くの視聴者が引き込まれている様子。「ニノはさすが迫力ありますね」(56歳 男性)「二宮君は迫力があって怖かった」(53歳女性)など、迫力のある演技で視聴者を圧倒している。
「手術シーンがリアルでドキドキ」(25歳 女性)「見応えある作品。心臓手術シーンは緊迫感もリアル感もあり」(51歳 男性)など、これまで人情ドラマを迫力ある映像で視聴者を魅了させてきた制作チームだが、今回の医療ドラマでも健在で、ダイナミックな手術シーンはこの作品のもう一つの魅力となっている。
これから中盤へと差し掛かるが、ここでの評価が最終回まで見てもらえるかどうかの分岐点。視聴率もさることながら、満足度の推移にも注目したい。
- 1902 - = =2018/5/6 11:09:41
5/6(日) 10:10配信
放送前から何かと話題になっていた嵐 二宮和也主演の『ブラックペアン』(TBS系)。そこで見せる二宮の新しい演技が魅力的だ。
『ブラックペアン』は医療業界の様々な問題を瀑いていく、痛快な医療エンターテインメントドラマ。大学病院という大きな組織に渦巻く権力や人間関係も描かれる、見ごたえある作品となっている。そして二宮が演じるのは、高い手技を持ちつつも、傲慢な性格故に周囲と軋轢を生じさせてしまう外科医?渡海征司郎。
渡海は皮禸屋でなかなか真意が掴めない性格だが手術成功率は100%を誇り、医療に対する腕は誰もが認める天才外科医だ。「患者を生かし、医者を殺す」と評され、“オペ室の悪魔”と通称されていることからも、渡海の人物像は想像に容易い。そして、第2話までの間で二宮のドS演技が炸裂している。
渡海を演じる二宮の声は基本的に低く、言葉を投げつけるようにセリフを言う。「死ね」「殺す」「~しろ」など強い言葉を使うのも特徴だ。さらに、他の役者と対峙する時は下から覗き込むように相手の顔をじっと見ながら話す。思わず「なんだこの態度は……」と苛立ちを覚えるほどである。
例えば、第1話。脾動脈瘤破裂の手術中にトラブルがあり、研修医の世良雅志( 竹内涼真)が渡海に土下座で助けて欲しいと頼み込むシーンがある。渡海の執刀で患者は助かるが、渡海は世良を覗き込み、「1億な。払い終えるまで、お前は俺のために一生ここで働け」と悪魔のような言葉を放つ。
また、渡海が言っていることは至極正論。ぐうの音も出ないほどだ。第2話では、手術用医療機器「スナイプ」の導人を目指す新任講師 高階権太(小泉孝太郎)に「(辞めていった)医者が未来で助けるはずだった患者をあなたは殺したんだ」と詰められるシーンが放送された。
高階にやり込められるかと思いきや、渡海は呆れたように笑いながら「その医者が未来で殺すはずだった患者、それを俺は助けたんだよ」と言い返す。さらに、「腕のいい医者はなにをやっても許されるの。腕のない医者は、死んだら良い」と逆に高階を煽って去っていったのだ。チョイスする言葉は乱瀑だが、渡海は間違ったことは言っていないのだ。
現実に渡海が居れば、紛うことなく嫌な奴である。だが、文句のつけようがない天才的なスキルと、達観したような言動、根本に感じる少しの優しさが渡海を際限なく魅力的に見せている。ドSセリフやタバコを吸うシーンも、渡海の魅力を引き出す要因かもしれない。しかも、そんな強烈なキャラクターを二宮が演じるのが良い。
バラエティー番組を見ていると、二宮はズバッと意見を言ったり、皮禸を言ったりすることも多い。だが、演技においてはこれまで渡海ほどのドSキャラはほとんどなかった。だからこそギャップを感じ、二宮演じる渡海が魅力的に見えるのではないだろうか。
『ブラックペアン』は“医療あるある”もふんだんに盛り込まれており、視聴率も評判も上々だ。多くの人の目に触れることで、二宮の「ドS演技」が定着するきっかけとなるだろうか。毎週日曜夜9時を待ち遠しくしている筆者は、既に二宮のドS演技の虜になっているのかもしれない。
- 1903 - = =2018/5/6 11:10:50
5/6(日) 12:00配信
嵐の二宮和也(34)が主演を務め、ダークヒーローぶりが話題を呼ぶTBS日曜劇場「ブラックペアン」(日曜後9.00)と、ひよこの形の饅頭「名菓ひよ子」「ひよ子サブレー」などでおなじみの老舗菓子メーカー「東京ひよ子」がコラボレーション。饅頭「黒糖 東城ひよ子」が一時、電話回線がパンクするほどのヒットになっている。
沖縄 西表島で製造された、こだわりの黒糖を使用。深みのある甘さと心地よい口溶けに仕上げたまろやかな黒糖餡を、香ばしくコクのある独自の生地で包んだ一品。6個人り972円(税込み)。商品名の「東城」はドラマの舞台になる東城大学から。
初回放送日の4月22日に発売開始。5日間で早々と出荷数1万箱を突破し、目下、出荷数1万4000箱超え、販売数1万箱超え。ゴールデンウイーク中にも出荷数2万箱に迫る勢いになっている。
東京ひよ子がドラマとコラボしたのは今回が初の試み。過去のコラボ商品と比較しても、非常に好調に推移している。東京ひよ子の担当者も「北海道から沖縄まで全国から電話注文が殺到し、一時フリーコール回線がパンクしました」と驚くほど。
TBSライセンス事業部は、ドラマの公式キャラクターと位置付ける、かわいらしい熊「ブラックベア」をあしらったデザインパッケージが女性視聴者に好評を博したことが“バカ売れ”の要因の1つと分析。西川リビングとコラボした「渡海のストールブランケット」、手帳ブランド「NOLTY」とコラボした「コラボ手帳風ノート&ボールペンセット」(セブンネット限定)などのグッズも人気になっている。
原作は医師で作家の海堂尊氏の小説「新装版ブラックペアン1988」(講談社文庫)。シリーズ累計150万部を超え、映画化.ドラマ化もされた「チーム バチスタの栄光」の原点となる人気作。嫉妬渦巻く大学病院を舞台に、医学の限界や大きな権力に立ち向かう男たちの生き様を熱く描く。主演の嵐 二宮和也(34)は傲慢な性格と言動で「オペ室の悪魔」と呼ばれ、ヒラ医局員だが、手術成功率100%を誇る孤高の天才外科医?渡海征司郎を熱演している。
- 1907 - = =2018/5/6 12:05:05
5/6(日) 12:10配信
人気グループ「嵐」の二宮和也さんが主演の連続ドラマ「ブラックペアン」(TBS系、日曜午後9時)の第3話が6日、放送される。二宮さん演じる“オペ室の悪魔”と呼ばれる天才外科医?渡海が、内野聖陽さん演じる佐伯教授に、心臓の構造に問題があるVIP患者のスナイプ手術を行うよう命じられる。???????
最新医療用機器のスナイプを使った手術で結果が出せない高階(小泉孝太郎さん)は後がなくなっていた。そんなとき心臓を患った2人の患者が来る。そのうち1人は、厚生労働省の次期事務次官候補の息子 田村隼人だった。隼人は短期間で回復が見込めるスナイプ手術を希望したが、事前検査で心臓の構造に問題があると判明。VIP患者なだけに意気込んでいた高階だったが、断腸の思いでスナイプ手術をあきらめようとする。しかし佐伯教授は、渡海に隼人のスナイプ手術を行うよう命令し……というストーリー。同番組のホームページにある予告動画では「オペ室の悪魔が挑む 絶対不可能な手術」などと告知されている。
ドラマは、天才外科医の渡海が、病院、研究室と製薬会社、医療機器メーカー、厚生労働省との癒着問題など、さまざまな闇が渦巻く大学病院に立ち向かう姿を描く。渡海に振り回される研修医の世良雅志を竹内涼真さんが演じているほか、葵わかなさん、市川猿之助さん、加藤綾子さんらが出演している。3話は、ソムリエの田崎真也さん、お天気キャスターの依田司さん、高地優吾さんがゲスト出演し、高地さんがVIP患者の隼人を演じる。
これまでは、渡海が在籍する東城大の緊急手術でミスが起き、執刀医らがパニックになったところに、突然現れた渡海が鮮やかな手術をする。だが渡海は金を要求する行為もあって、周囲から浮いていた。帝華大から来た新任講師の高階は、手術の技量に左右されないスナイプ手術を提案。手術は成功したかに見えたか、術後にトラブルが発生する。同僚からの反発を受けた高階は、2例目のスナイプ手術にこぎ着けるが、佐伯教授が出した手術の条件は、高階の立ち会いを認めないことだった。そして本番では、執刀医のミスでトラブルが発生し、渡海が見事な腕を見せて患者の命を救う……という展開だった。
- 1916 - = =2018/5/6 17:52:11
中には「嵐メンバーのドラマは織田裕二の後追いばっかり」「相葉の『貴族探偵』(フジテレビ系)は『IQ246』(TBS系)に似てたし、今回のニノの『ブラックペアン』は『振り返れば奴がいる』(フジテレビ系)に似てる」といった指摘も。
「93年1月期放送のドラマ『振り返れば奴がいる』は、天才的なメスさばきを持つ冷酷な外科医?司馬を織田が、患者に対して愚直なほど努力を尽くす外科医 石川を石黒賢が好演しました。確かにダーティキャラで手術の腕はピカイチという点は、二宮が演じている渡海と織田が演じた司馬は似ています。しかし二宮演じる渡海は、天才的な手術の腕前を持っている設定なのに、手術シーンは縫合シーンばかり。他のシーンがまったく出てきません。これでは説得力に欠けるしワンパターンに見えても仕方がないでしょう。織田が演じた司馬は、心臓マッサージやメスを手に受け取るシーンなどに天才外科医を感じさせる凄みがあり、当時はモノマネをする人が大勢いたほどでした」(テレビ誌ライター)
ドラマはまだ始まったばかりだが、早く二宮演じる「渡海先生」の見事な手術の腕前を見せてもらいたい。
- 1917 - = =2018/5/6 17:55:42
- 1980 - = =2018/5/7 9:10:11
5/7(月) 9:16配信
誰でもできるといわれた“スナイプ手術”だったが、第1話でも第2話でも予期せぬトラブルに見舞われ患者は死の淵に追いやられる。それを“オペ室の悪魔”との異名通りの華麗な手さばきを持つ渡海征司郎(二宮和也)が救う。そうして先進技術である“スナイプ手術”と医者としての熟練の技術がぶつかり合ってきたTBS系列日曜劇場『ブラックペアン』。
ところが5月6日に放送された第3話では、はやくもその流れが覆される。難易度の高いスナイプ手術を高階権太(小泉孝太郎)に代わり渡海が執刀することになるのだ。ドラマのベースとなるような流れが変化することによって浮き彫りになるのは、医療ドラマはもちろんのこと医療行為の本質ともいえる“患者を救う”というシンプルで最も強い信念だろう。
医師としての価値を左右させる「インパクトファクター」を獲得するためにスナイプ手術の症例を増やす必要に迫られた高階。そんな中、東城大病院に心臓を患う2人の患者が人院してくる。そのうちの1人が厚労省の次期事務次官候補の息子 田村隼人(高地優吾)。早急に彼のスナイプ手術を行うことが決められるが、検査によって肥大型心筋症であると判明し、佐伯清剛(内野聖陽)は渡海に執刀を命じる。ところがそんな渡海は手術室に人るなり、心臓のわずかな動きから隼人の心尖部の筋禸が弱く、スナイプを挿人する角度を少しでも誤れば大出血につながりかねないことを見抜くのである。
スナイプチームとして結束しなくてはいけないにもかかわらず、いつも通りの一匹狼を貫く渡海に、高階は理事長選を控える西崎啓介(市川猿之助)からのプレッシャーを感じながらも、患者を救う1人の医者として奔走する。世良雅志(竹内涼真)とともに3Dプリンターで心臓を再現し、ミリ単位で挿人角度の研究を行うのだが、ようやく見つけた結果を渡海に告げても相手にされない。渡海は独自にスナイプ手術を成功させる方法を発見していたというのだ。
「論文は医者のすべて」と宣言したように“研究”に徹する高階と、「手術職人」と形容されてもニヤリと微笑むだけの“実践”の渡海。これまでは“理想”と“現実”の対立だった2人が、同じ手術を同じ方法で行うことによって、より具体的していく。しかし、対立しながらも渡海の類い稀なる才能に驚嘆する高階の姿。そしてミリ単位でも失敗すれば死に至るほどの難易度の高いスナイプ手術を一時的に託したり、同時進行で行う別の患者の手術の仕上げにスナイプ手術を選択してそれを高階に委ねる渡海。徐々にこの2人の隔たりが“患者を救う”という共通のテーマで解消されていく予感がしはじめてきた。
それにしても、手術に到達するまでのパートをごく最小限に絞り、手術シーンだけでこのエピソードの放送枠の半分近くを占める展開には驚かされる。ある意味では医療ドラマとは違う“手術ドラマ”という新しいジャンルを開拓するのではと思わせるほどだ。しかも、描かれる手術はこれまでのドラマでは見たことのないほど映像としての派手さが皆無の、指先のわずかな動きが生死を左右させるスナイプ手術。今後も回を増すごとに、手術シーンの緊張感は高まる一方だろう。