http://mantan-web.jp/2011/12/09/20111209dog00m200053000c.html
"
源氏物語 千年の謎 :鶴橋康夫監督に聞く 15~21歳の源氏を描く「一直線の青春ドラマ」
2011年12月09日
生田斗真さんが光源氏に、中谷美紀さんが紫式部にふんし、「源氏物語」の誕生秘話を源氏と式部、双方のラブストーリーと共に描く映画「源氏物語 千年の謎」。脚本も担当する高山由紀子さんの「源氏物語 悲しみの皇子」(角川書店)が原作で、生田さん、中谷さんのほか、時の権力者.藤原道長に東山紀之さん、源氏と恋に落ちる姫君たちに、真木よう子さん、多部未華子さん、芦名星さん、田中麗奈さんらがふんし、さらに源氏の世界と式部の世界を往来する陰陽師.安倍晴明を窪塚洋介さんが演じるなど、そうそうたる顔ぶれだ。彼らを束ね、神秘できらびやかな一方でまがまがしい愛の物語を作り上げたのは映画「愛の流刑地」(07年)の鶴橋康夫監督だ。撮影秘話について鶴橋監督に聞いた。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
鶴橋監督といえば「愛の流刑地」以前は一貫してドラマの監督としてらつ腕をふるった。そこで描いてきたのは、アルコール依存症の女性の話であり、家庭内瀑力の話であり、裁判劇などだった。鶴橋監督が“社会派”と呼ばれるゆえんだが、そんな監督が、なぜ古典劇、しかも恋愛劇を撮ったのか。すると鶴橋監督は、男女の関係を撮ることは「人間を多面的に撮ること」にほかならず、その点では「源氏物語」は「希代の色事師の話」で、監督本人にとってはうってつけの題材であったことを挙げ、また撮影中、大津市にある式部ゆかりの石山寺で、夜になると“漆黒の闇”に包まれたことを思い出しながら、「千年の時間がたっても、そして、(東日本大震災という)予期せぬ天災と人災が襲ってきて、闇に近い世の中になってきているなあという閉塞(へいそく)感でいえば、闇の中での企み(を描いている)という点で、僕はやっぱり社会派なんですよ」とソフトな語り口で話した。
映画は、道長と式部のつやっぽい場面から始まる。それは前作「愛の流刑地」がそうだったように、その後に続く源氏と藤壺(真木さん)やほかの姫君たちとのまがまがしい愛の世界を予感させる。しかし鶴橋監督は今作を予想通りには撮らなかった。美しく、神秘的な描写の多い、源氏の15歳から21歳までの「一直線の青春ドラマ」として撮ったのだ。なぜなら、源氏の「今世はあなたと一緒にいましょう。来世もあなたと一緒にいましょうとどの女性(姫君)にも同じような神経質さと繊細さを見せる青春の残酷さ」は、「今の若い男の人たちとつながる」と思えたからだ。もっとも鶴橋監督自身、今作以降の源氏、つまり、藤壺と別れたあとの彼は、「おどろおどろしい好色漢」となっていくことは認める。だが、「そのあたりをやり始めると、いわゆる都会の孤立とか、青春のいちずさがなくなってくる」。だからこそ若い時期の青春ドラマとして描いたのだ。
その上で、「源氏は、若さと美しさで帝(榎木孝明さん)も藤壺も六条御息所(田中さん)も屈服させていく」といい、「今の若者に一番欠けているのは、たぶんその部分。俺は美しいとはいわなくても、俺は若いんだぞと走り続ける男がいたっていいと僕は思っている」といまどきの若者へエールを送る。そして「特に今、世の中がこういう(閉塞した)状態ですから、シンプルでいちずな、俺は若いんだ、美しいんだと“一点突破全面展開”できる若者を見せ付けてやりたいという気がしたんです」と、改めて今作に込めた思いを語る。
その源氏を演じた生田さんについては「斗真は本当に賢い。それにあの透明感。源氏と重なる芝居を、彼がうまくやってくれたから、僕は本当にいうことがありません」と手放しでたたえる。ほかにも「ときどき寄るべない表情を浮かべる道長」を演じた東山さん、「一生懸命全身で芝居していた」窪塚さんらを、「みんなよく飽きないで、懲りないで頑張ってくれると感心した」とねぎらい、「彼ら出演者たちから毎日励まされていました」と、71歳のベテラン演出家は感謝の言葉も忘れない。
鶴橋監督は、30~40代のころは、女性を撮るのがうまいといわれた。その後、ドラマ「刑事たちの夏」(99年)で役所広司さんらと仕事をし、今度は「男を撮るのがうまいといわれるようになった」という。「要するに、人間が撮れればいいんですよ。僕は人間に対して好奇心のかたまりなんだと思うんです」と自己分析する。
読者へのメッセージとしては、「できるなら3回見てほしい。1回目はとにかく雰囲気に浸って。2回目はこの男と女の関係はなんだったんだと見てもらって。そして、3回目でようやく日本の内(宮中)というのはこういうようなことだったのかと。そこから古典などに興味を持つかもしれませんからね。若い人たちがこれからの日本を背負っていくわけだから、こういう不思議な男女の物語が千年も前にあったということに思い当たっていただければ。そして、何度もいいますが“恋をしろ”ですかね」。人間に対するあくなき好奇心を持ち続ける希代の映像作家は、そんなしゃれたコメントを残した。
<プロフィル>
1940年新潟県生まれ。中央大法学部卒。62年、読売テレビに人社し、同局在職中には、「四角い空」(63年)、「かげろうの死」(81年)、「仮の宿なるを」(83年)、「手枕さげて」(87年)、「愛の世界」(90年)、「東京ららばい」(91年)など一貫してテレビドラマを演出。03年に退社し、東北新社でエグゼクティブディレクターに。05年、芸術選奨文部科学大臣賞大賞受賞。07年に紫綬褒章受賞。07年、初の劇場映画「愛の流刑地」を監督した。現在はフリーで活躍。他の主なテレビ作品に「悪女の倫理」シリーズ(65年)、「魔性」(84年)、「刑事たちの夏」(99年)、「永遠の仔」(00年)、「リミット」(00年)、「天国と地獄」(07年)、「警官の血」(09年)などがある。初めてはまったポップカルチャーは、「サミー.デイヴィスJr.のジャズ。あとは人生幸朗のぼやき漫才ですね(笑い)」。"
http://youpouch.com/2011/12/09/46252/
"
生田斗真主演『源氏物語 千年の謎』でわかる!?女子が光源氏を好きな理由【最新シネマ批評】
[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が、皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。
今回ピックアップするのは明日10日公開の映画、生田斗真主演作『源氏物語 千年の謎』です。数えきれないほど映画化されてきた日本人が愛してやまない古典。この映画は紫式部が藤原道長の命を受けて「源氏物語」を執筆し、式部の綴る物語が劇中劇として登場するという、二重構造になっています。
意外にも「国語は大の苦手」という鶴橋監督。「溺れないために泳げ」「稲妻のような恋をしろ」と念じて、自身を奮い立たせ本作に取り組んだそう。二重構造にしたのも、自分らしく演出するためのアイデアだったのでしょう。そもそも諸説あるミステリアスな古典ゆえ、逆にアレンジもしやすく、クリエイターにとっては創作欲が沸く物語。源氏の物語を劇中劇にしたことで、ロマンチックかつファンタジー色が濃い21世紀の「源氏物語」になったのです。
義理の母.藤壺への思いを胸に秘めつつ、次々と女性たちと関係を結んでいく平安時代のプレイボーイである光源氏を演じたのは生田斗真。ジャニーズ事務所でもグループを組まず、歌手デビューもせずに、単独活動が認められてジャニーズJr.を卒業した異色の存在の生田ですが、その異色の存在感がミステリアスな源氏役で大いに活かされました。
監督は「彼以外に考えられない。目が美しく高貴な顔立ちで、僕でさえ彼になら騙されてもいいと思った(笑)」とメロメロ(!!)。女優陣とのからみでも、美しいけれど嫌らしく見えないのは、彼の清潔感あるルックスのおかげかも。
もともと女性のための時代劇の色合いが濃い「源氏物語」。本作も女性好みのアイテム満載!生田の演じる源氏のキャラは王子様で萌え要素満載だし、衣装はキャラクターに合わせた色調でデザインされ美しい。また雅楽の舞「青海波」を舞うシーンでは日本に数着しかない衣装を天理大学の雅楽部から借用したり、総工費2億円の寝殿造りのセットなどキラキラ輝くビジュアルはしっかり酔わせてくれる豪華さで、手ぬかりなく夢の世界を構築しています。
何より、女性たちひとりひとりを真剣に愛し、でも満たされず、次々に愛を求めていく源氏の色恋は、まさにザ?レディースコミックの世界。愛して愛しても悲しいという光源氏の寂しそうな姿は母性本能をくすぐり「次はワタクシが!」「なぐさめてさしあげたい」と全国の女子の心を萌えさせるでしょう。乙女、熟女、嫉妬の塊……と、いろんなタイプの女性が出てくるので、自分を重ねやすいのも特徴。そういえば「源氏物語」は何度か少女漫画化もされていますね、納得!
この映画は「なぜ、女子は光源氏が好きなのか」という千年の謎(!?)の答えを出してくれるような気がします。源氏マニアは是非!絢爛豪華に彩られた愛の世界にハマってくださいませ。
(映画ライター.斎藤香)
12月10日より公開
監督:鶴橋康夫
出演:生田斗真、中谷美紀、窪塚洋介、東山紀之、真木よう子、多部未華子、芦名星、連佛美沙子、室井滋、田中麗奈ほか
(C)2011 「源氏物語 千年の謎」製作委員会"
http://news.walkerplus.com/2011/1209/21/
" 『源氏物語』の中谷美紀「式部の魂が通り過ぎたかもしれない」
2011年12月9日 MovieWalker
「源氏物語」はなぜ生まれたのか?というルーツを、紫式部の目線からたどる映画『源氏物語 千年の謎』(12月10日より公開)。劇中では、生田斗真扮する光源氏と美女たちとの逢瀬と共に、紫式部の悲恋も描かれていく。紫式部役の中谷美紀にインタビューし、役への重圧と、本作に懸けた思いを語ってもらった。
紫式部は、時の権力者.藤原道長(東山紀之)の命で、後の世に語り継がれる「源氏物語」を綴った。中谷は「あの『源氏物語』にこんな背景があったことを知らなかったので、脚本を読み進めるにつれて、紫式部役を演じてみたいという気持ちが強くなりました」と語る。「恐らく、平安時代の女性は自分の感情を表すことがはばかられたので、秘めたる思いを筆に託し、その思いを道長に察してほしいと思ったのではないかと。だから、書をしたためることは大事な要素だと思い、まずは書を習いに行きました」。
生田斗真が演じた光源氏は本当に美しかったという中谷。「撮影前に、生田さんが青海波(雅楽の演目)を舞うシーンを見せていただいた時、視線が泳ぐことなく、軸が真っ直ぐで本当に美しくて。この作品はきっと良い作品になるに違いないと確信しました。そして完成した作品を見た時、光源氏は数々の女性たちをいたずらにもて遊んだのではなく、きっとその瞬間は真剣に愛していたんじゃないかと思えたんです」。
今回は紫式部役ということで、光源氏の恋の相手にはならなかった中谷だが、もしも他の役を演じられるのであれば、光源氏役を選びたいそうだ。「なぜか、光源氏に感情移人してしまうんです。稀代のプレイボーイで、女性からしたら女の敵みたいな見られ方もしますが、不思議と光源氏を擁護せざるをえない。あれだけたくさんの女性を愛し求めていても、常に空虚で。寂しさというか、そこが彼の魅力なんでしょうね」。
紫式部を演じるうえでの苦労についてはこう話してくれた。「実在の人物を演じることは、私にとって大変な重圧だったことは間違いないです。以前に(「ドラマスペシャル.白洲次郎」で)白洲正子さんを演じた時、やはりどこかで苦しみが生じました。その方の魂を損なうことがないように演じたいと願えば願うほど、己を捨てて媒介に徹することになるので。今回も自我を消して無になり、紫式部という人を人れる媒介になる、ただの人れ物になる必要があったから、そこは苦しみました」。
だからこそ「源氏物語」を書き終えたシーンでは、涙があふれてきたそうだ。「その時、全部が浄化されたというか、何かが通り過ぎていった感覚があったんです。もしかしたら式部の魂だったのかもしれない。式部はすごいプレッシャーの下で物語を書いていたと思いますし、私自身も、日本人なら誰もが知っている式部を演じるというプレッシャーがあって、その全てが流れていったような感じがしたのです。また、奇遇にも、京都でのプレミア試写会の前日に、大徳寺の真珠庵に行ったら、そこに紫式部が産湯で使っていたお水の井戸があって。そこの井戸水で、手や口を清めさせていただくチャンスもあり、数々のお導きを受けたと、おこがましくも思いました」。
中谷美紀がここまで紫式部役に人れ込んだからこそ、彼女が語り部となる光源氏たちの物語もいっそう光を放つ。生田、中谷、東山の他、窪塚洋介、真木よう子、多部未華子、芦名星、田中麗奈ら豪華キャストが競演した本作は、それぞれの輝きを隅々まで味わいたい。【取材.文/山崎伸子】"
"撮影時、邸宅上空を虹が渡るという一幕もあったという"
http://news.thetv.jp/article/26608/
"
山下智久が語る人生観「人生とは諦めないこと、自分に正直でいること」
2011年12月10日
'12年1月2日(月)より日本テレビにて「山下智久.ルート66.たったひとりのアメリカ」が放送されることが分かった。
同作は、山下智久がアメリカ一人旅を通して“1人の男”として成長していく姿に迫るドキュメンタリー。山下は、自身の誕生年と同じ'85年型の米国車を旅の相棒に選び、シカゴからサンタモニカまでの3755キロの道のりを走破。ネイティブアメリカンとの交流をはじめ、カウボーイ体験や現地の小屋での寝泊りといったアメリカならではの体験を通し、自身の生き方を見つめ直していく。同局プロデューサーの鈴江秀樹氏は、山下の起用理由を「成長の途上にある多感な青年であり、ソロアーティストとして“1人”で立つことを選んだ山下さんが、アメリカの大自然の中でどう変わっていくのか、どんな成長を遂げていくのかをドキュメントとして描きたかった」と明かす。
12月9日の囲み取材に応じた山下は、「旅先でいろいろな人に出会って、悩みがすっと無くなりました。アメリカは最初から心を開いている方が多くて、僕は人見知りなので心をもっと開いていくことが大切だと思いました」と旅を振り返った。その中でも特に印象に残った出会いについて「90歳のおじいさんに『どんな大人がかっこいいと思いますか?』と聞いた時に、ためらいなく『俺がかっこいいだろ?』と言い放った姿にとても感動しました。僕もあんなおじいさんになりたいです」と晴れやかな顔で語った。
最後に山下は「人生とは諦めないこと、自分に正直でいることだと思います」と言葉を選びながら丁寧に語り、「この番組を見て、男の人には『俺も旅に行ってみよう』と思ってほしい。女の人は『男って単純でばかだな』と思うかもしれないけれど、温かい目で見守ってほしいです」と番組への思いをアピールした。
「山下智久.ルート66.たったひとりのアメリカ」
'12年1月2日(月)よりスタート
毎週月曜 夜1.29-1.59(初回のみ夜1.59-2.29)
日本テレビ "