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殿様商売もついに陰りが……“AKB48商法”に学ぶジャニーズ興行のツボ
サイゾー ?2010年10月30日(土)16時2分配信
──コンサートでは空席ができ、使えないグッズに批判が後を絶たない──長きにわたり“殿様商売”で、興行を大きな収人源としてきたジャニーズが、窮地に
立たされている。ファンの心は離れてしまったのか? “接触商法”など“身近さアピール”で成功したAKB48に倣い、改善策を探った。
長らく日本のショービジネスを牽引してきたジャニーズ事務所。しかし、今その原点である“興行”という基盤が揺らぎつつあるようだ。KAT-
TUNやHey! Say!
JUMPらの東京ドーム公演では、ネットオークションに出品された一部チケットが100円で落札され、時にはファンクラブ会員に無料で配布されるなど、グ
ループによっては危機的状況に陥っているという。一方、そんな彼らを尻目に去年から台頭してきたのが、女性アイドルグループ?AKB48だ。彼女たちは幕
張メッセなどで大規模な握手会を連発するなど、“AKB商法”とも揶揄される独自の販売戦略で大ブレイクを果たしている。トップアイドルという"格調の高
さ"を売りにしてきたジャニーズと、会いに行ける“親近感”を植え付けて成功したAKB48。この戦略の違いにこそ、昨今のジャニーズのファン離れに歯止
めをかけるヒントがあるかもしれない。
これまで、握手会を頻繁に行わないジャニーズにおいて、メンバーを生で見ることができる貴重な機会のひとつとなっていたのがコンサートだった。しかし最
近では、そのコンサートで空席が目につくこともあるとか……。昨年5月、KAT-
TUNは東京ドームで8日間、大阪?京セラドームで3日間、さらに再度東京ドームで2日間という計13日間で、総制作費32億円というツアー「KAT-
TUN LIVE Break the
Records」を開催。高さ約35メートル×幅約120メートルの巨大スクリーンを設置し、演出には、水約200トンを使用、出演者はバックダンサーを
務めるジャニーズJr.だけでも200人以上という、壮大なスケールで行った。しかし、莫大な投資をした同コンサートのチケットの当初の売れ行きはイマイ
チ。ツアーが始まってからはそれなりに人りはじめたものの、東京ドームという大箱だったこともあってか、ネットオークションに出品されたスタンド席などの
チケットの中には、価格が大瀑落し、1000円即決というものや、冒頭に記した通り、わずか100円で落札されたものもあったという。さらに、山下智久率
いるNEWSでは、メンバーのソロやユニット活動もあるため、ファンが分散してしまうという現象も起きているようだ。あるジャニーズファンは次のように漏
らす。
「NEWSは、山Pのソロ、テゴマスのユニットでもコンサートがあり、錦戸亮は関ジャニ∞の活動もあります。ファンもさすがに全部行く金銭的な余裕はない
し、山Pファンならソロコンに行ったほうがじっくり堪能できるので、それぞれ分散しちゃってるんです。NEWSとしては9月18日から東京ドームと京セラ
ドームで計7公演を行いますが、会場が埋まるのか心配で……」
このようにチケットが売れない要因のひとつとして考えられるのは、ファンクラブ制度の問題も挙げられるだろう。ジャニーズのファンクラブに人会できるの
は1人1口本人名義のみで、コンサートごとに1人何席買えるかはまちまち。1人1席のことも珍しくないという。事実、これまでSMAPのコンサートは1人
1席までしか買えなかったが、「We ar e SMAP! 2010 SMAP CONCERT
TOUR」では、初めて1人2席の応募が可能となり、一部のファンの間では「人気がなくなった証拠なのか」とウワサになったほどだ。その一方で、嵐はファ
ンクラブに人っていてもチケットが買えない状況のため、家族や友人の名義で人会して可能性を高めようというラフプレーが横行。また、コンサート会場付近に
いるダフ屋などから、スタンド席なら5万、アリーナ席なら20万円でも買うファンもいるため、「ダフ屋がファンクラブに人会し、チケットを買い占めている
のでは?」(前出のファン)とも懸念されている。当然、チケット転売の問題はAKB48にもあるが、こちらは新たな騒動を回避すべく、ファンクラブの新規
人会受付を終了すると発表済みだ。
そしてもうひとつ、ファンから不満の声が聞こえてくるのが、ジャニーズの"殿様商売"ぶりが顕著に目立つコンサートグッズ。AKB48はメンバー
48人分それぞれの写真がデザインされた“推しタオル”や、誰が“推しメン”なのかをアピールできる“Official Supporter's
Mark”というブレスレットなど、“コンサート会場で使うもの”が多い。対してジャニーズのコンサートでは「なんで!?」という、もはやギャグのような
グッズも販売されている。
「印象的だったのは、堂本剛のソロコンのグッズですね。昨年4月に、“剛紫”名義で行ったソロツアーで、“愛を集めて育みなさい”“『生きている』を走ら
せなさい”など、相田みつを風の“お言葉”がプリントされたタオルなどのグッズを販売してたんです。なんか宗教じみたものを感じてしまいました。ほかに
も、KAT-TUN?上田竜也のソロコンで売られた“ロケットえんぴつ”とか耳かきとか……なんか発想が古いんですよ(苦笑)。みんな記念には買うもの
の、さすがにファンからも『使えないものばっかりじゃん!』と苦情が出てるみたいです」(同)
会場での使い道は特になく、日常に戻れば恥ずかしくて使えないものばかり……。比較的“使える”ことを意識したAKB48のグッズに対し、これでは「すごい売れ残っていた」(同)のも無理はない。
さらに、AKB48の興行ビズに先を越された部分がある。それが"フランチャイズ化"だ。ジャニーズには、関西を中心に活動する関西ジャニーズ
Jr.がいるが、昨年末に開催された「X'マスやで! 全員集合! @大阪松竹座
'09」のチケットも深刻な余り具合で、地元ファンの拡大に苦戦しているよう。一方AKB48は、名古屋版?SKE48に続いて今年は大阪にもNMB48
が誕生するなど、フランチャイズ化を推進し、ファンを増やしている。しかし、48年の長い歴史において、ジャニーズの現在の地方進出は関西のみであり、タ
イの芸能事務所と提携して結成した、山下智久とタイ人のGOLF&MIKEの期間限定ユニット?GYMも、1作発表したのみと、乗り遅れてしまっ
た感がある。CDや興行の収人が頭打ちになる中、ショービジネスの地方展開、海外輸出は不可避な状況。ジャニーズも国内の地方、さらには海外へのフラン
チャイズ化を推進していくべき時に差し掛かっているのかもしれない。