先月末、タレントの小島瑠璃子が出席したイベントで自身の給料について聞かれて、「普通のOLさんくらい」と話して話題を集めた。小島といえば、バラエティー番組やスポーツ情報番組のMC、雑誌グラビアなどマルチな活躍を見せて、4月からは週6本の生放送を抱えるなど、現在ブレーク中の人気タレントだ。当然、収人面もブレーク前よりも大幅アップが想像されるが、小島は「ギャラも上がったのでは?」との質問に対し、「ホリプロは給料制なので、普通のOLさんくらいと思って頂ければ」と明かした。一方、昨年から今年にかけてブレークしたお笑いコンビ「日本エレキテル連合」の2人は、1月に出演したバラエティー番組でブレーク後の給料の話題を振られると、「怖いくらい(に上がった)」と口を揃えた。さらに、中野聡子は所属事務所「タイタン」の太田光代社長から「うちは最初歩合だけど、固定の方が安心できるのか? 歩合を続けるのがいいのか?」と切り出されて、「迷いなく歩合。頑張り甲斐がある」と即答したことを明かしている。
歩合制の方が多い芸能人の給料事情
人気タレントともなると、プロ野球選手にも負けないほどの高給取りというイメージが世間一般にはあるが、実際のところ芸能人の収人事情はどうなっているのか?
「ギャラの話は業界ではタブーなのですが…」と前置きしたうえで芸能プロダクションマネジャーは匿名を条件にこう明かす。
「小島さんが所属する『ホリプロ』さんのように人気タレントを数多く抱える大手事務所の中には給料制のところもありますが、中、小規模のプロダクションに関しては歩合制のところが多いですね。タレントにとって給料制のメリットは、旬やブレーク時期が過ぎてからも安定した収人を得られるところにあるわけですが、そもそも所属事務所自体の経営が安定していないと成り立たないシステムでもあるわけです。芸能人を目指すようなタイプの人は一攫千金を狙ったり、『稼げるうちに稼いでおけ』という志向の人も多く、その点においても歩合制の方が業界内では一般的です」
ギャラの半分をもらえれば良心的!?
となると、気になるのは歩合制の中身となるわけだが…。
「各芸能事務所によって歩合制の比率は異なり、タレントの取り分と会社側の取り分が半々くらいならかなり良心的な方じゃないでしょうか。3対7や2対8なんてケースもざらです。『そんなに会社側に持っていかれるのか!』と思われるかもしれませんが、タレントを売り出すためには初期投資がかなりかかるし、デビューしたての頃はほとんどが会社側の持ち出しです。しかもシビアな話、大半が売れずに消えていきます。そのぶんを一部のタレントが売れてから回収することになるわけですからね。そうした背景もあり、ブレークしてすぐに所属事務所を移籍するようなタレントは、業界全体からも冷ややかな目で見られるというわけです」(前出のマネジャー)
給料だけじゃない!? 大手事務所に所属するメリットとは?
こうした中、よく吉本興業所属のお笑い芸人がバラエティー番組で「ウチは給料が安い」や「若手の頃は給料よりも交通費の方が多かった」などとボヤいたり、ネタにする場面をよく目にする。「確かに吉本さんはタレントのギャラの取り分が少ないことで有名です(笑)」(同マネジャー)という意見がある一方、バラエティー番組を手掛ける放送作家は給料面以外のメリットの大きさを強調する。
「吉本さんにはテレビの冠番組を持つ売れっ子芸人がたくさんいるので、実力があれば先輩芸人との繋がりで番組出演の機会も巡ってきますし、マスコミやクライアントにタレントを売り込む営業力もあり、露出や売れるチャンスがあるという意味では、タレントにとって大きなメリットがあると思います。常設劇場や自社主催のイベントなどもあり、“仕事日照り”に陥りにくいという点も魅力でしょう。もちろん、そのぶん所属事務所内の競争も激しいですが、いくら人気があっても仕事がなければ何の意味もないですからね。今の御時世、人気タレントといえども、黙っていても仕事が人って来るという時代ではないし、仮に一時的にそうなったとしても、“賞味期限”は短く旬なんてあっという間に過ぎてしまいますから。それに、事務所への貢献度の高い一部の大御所クラスになると、歩合の比率も通常とは異なり言われているほど悪くないという話ですしね」
何だかんだと言いながらも吉本芸人に独立するケースが少ないのは、所属タレントがこうした給料面以外の部分に大きなメリットを感じている表れだろう。
一時の高給を取るか、はたまた安定性をとるか
芸能評論家の三杉武氏は語る。
「昔は所属事務所の待遇に不満を抱いて独立したり、個人事務所を設立したりするタレントもかなりいましたが、そうした先人たちが思ったほど上手くいっていなかったり、テレビ不況の影響などもあり、最近は“独立騒動”も以前に比べるとだいぶ少なくなっています。個人事務所を立ち上げながらも、結果的には業務提携という形で実質的には大手事務所にマネージメントを任せているケースも多いです」
一時の高給を取るか、はたまた安定性をとるか、芸能人にとっても悩みどころではあるが、一昔前に比べると安定志向の芸能人が増えているといったところか。
之前wz看到的,能看懂的自己看