いよいよ夏ドラマがスタート。『ごくせん』や『CHANGE』といった“分かりやすい”話題作がない夏ドラマだが、その分、ストーリーや出演者など自分が重視するポイントでお気に人りのドラマを見つけ出す楽しみがある。この特集では、各ドラマの概要に加えて、初回放送のレビュー、ブログの評判を紹介。お気に人りのドラマを探し出す“良きパートーナー”になるはずだ。

(文/ISプレス、渡貫幹彦=日経トレンディネット)

若手の群像劇が再びヒットを飛ばすか?

 夏ドラマは、既にいくつかの作品は初回の放送を終了しており、視聴率も明らかになっている。注目は視聴率が20%を超えた『コード?ブルー』(フジテレビ系)。ヘリコプターなどに乗り込んで患者のいる場所に駆けつける「フライトドクター」を題材にした医療ドラマで、内容としてはシリアスだ。現代の医療問題に多くの視聴者が関心を寄せたことに加えて、人気の若手を多数起用した点も視聴率を押し上げた理由だろう。山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香と、いずれも知名度の高い若手を使ってシリアスなテーマに挑んでいる点は、春ドラマで話題となった『ラスト?フレンズ』(長澤まさみ、上野樹里、瑛太らが出演)を彷彿(ほうふつ)とさせる。“若手の多数起用の群像劇=ヒット作”の方程式が成立するか、注目されるところ。

 若手の複数起用で、『コード.ブルー』の上をいくのが、織田裕二主演の学園ドラマ『太陽と海の教室』(フジテレビ系)。生徒役に岡田将生、北乃きい、濱田岳、吉高由里子、谷村美月らが顔をそろえた。さらに教師役で北川景子も登場。これだけのキャストで、しかも“月9”という放送枠であることを考えると、視聴率をどこまで伸ばすか興味は尽きない。

 若手の多数起用と同様に、夏ドラマの傾向として顕著なのが原作マンガの濃いキャラクターを生かす作品が多いこと。『ヤスコとケンジ』『正義の味方』(いずれも日本テレビ系)などがその例だ。『ヤスコとケンジ』では広末涼子が元レディースの総長役で奮闘するなど、こうしたドラマでは出演者が役にどの程度ハマれるかが見どころになる。濃いキャラクターとは少し違うが『シバトラ~童顔刑事.柴田竹虎~』(フジテレビ系)では、童顔刑事という役をまさに童顔の小池徹平が演じている。

 このほか、『恋空』『魔王』(いずれもTBS系)の“リメイク系”がどこまでヒットするかも話題。両作品とも、既に映画や韓国ドラマとして大ヒットしているだけに、演出などを工夫することでどこまで視聴者を獲得できるかがポイントになるだろう。

 では次ページから各ドラマの概要と初校放送のレビュー、ブログの評判を見ていこう。

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