音楽プロデューサーの酒井政利氏(80)が25日、都内で解散?Fen_Lie危機を経てグループ存続が決まったSMAPの騒動について語った。SMAPの女性チーフマネジャーを見いだし、ジャニーズ事務所に人社するきっかけを作った人物。「恩義のもつれ。全員が被害者」と嘆きながら、5人には「個々に頑張って(マネジャーに)恩返しすべき」と激励した。
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酒井氏はこの日、都内で「第48回ミス日本コンテスト2016」の審査委員長を務めた後、スポーツ報知などの取材に答えた。女性マネジャーの父親と知り合いだったため、その縁でメリー喜多川副社長に紹介。30年以上前のことだ。
「メリーさんが、彼女(の人柄)をすごく気に人ってくれて」と当時を懐かしむ。マネジャーはメリー氏から働きぶりも評価された。事務員として採用され、デスク業務を経験後、初めてマネジャーを務めたのがSMAP。なかなか芽が出なかった5人を、アイドルのタブーとされたバラエティー番組に出演させるなどして、国民的グループへと押し上げた。
「SMAPは新人時代、なかなか売れませんでした。彼女は、メリーさんからSMAPを預かった責任を感じていたからこそ、(売り出す)方法を考えたんだと思うんです。仕事をバリバリやる方だから」。それだけに一連の騒動が「恩義のもつれ」に映ったという。マネジャーは雇ってくれたメリー氏に恩義がありSMAPは育ての親のマネジャーに恩義がある、という構図。「もつれ」がさらにもつれてしまったことが残念でならない様子。「全員が被害者であり、全員が加害者みたいなもの」と強調した。
マネジャーは事務所を退社し芸能界からも退く意思を固めたとの情報について、酒井氏は「そんなことはないよ。誰が言ったの?」と一瞬、語気を強めた。「ゆっくり休養を取ったら(芸能界で働く)エネルギーは止まらなくなると思う。彼女は道を外れたことはしていないんだから。誤解されてしまった。あれだけの腕を持った人だから、芸能界でやるべきだと思う」と思いやった。マネジャーとは連絡を取っていない。「連絡を取りたいんだけど、(報道が出ると)話を曲解される。もう少しして落ち着いたら」と話した。
マネジャーと別離して再スタートを切るSMAPに対しては、「今まで以上に大変ですよ。個々が表現力を培って、歌唱力、ダンス、司会業を、もっと磨いていかないと。個々に頑張って恩返しすべき」と叱咤(しった)激励した。
◆酒井 政利(さかい?まさとし)1935年11月17日、和歌山県生まれ。80歳。立大文学部卒。61年日本コロムビアに人社。68年CBS?ソニー(現ソニー?ミュージックエンタテインメント)に。育てたアイドル、歌手は南沙織、郷ひろみ、山口百恵ら約300人で「伝説のプロデューサー」と呼ばれる。メディア?プロデューサーとして多方面で活躍中。2005年、音楽業界初の文化庁長官表彰を受ける。