- 40576 - = =2019/1/30 1:10:02
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嵐の「活動休止」会見から臨床心理士が読み解いた、言外のメッセージとは?
1月27日、突然、日本中に予想だにしなかった嵐が吹き荒れた。国民的アイドルグループの「嵐」が、2020年12月31日をもってグループとしての活動を休止すると発表したのだ。
活動休止が最初に発表されたのは、ファンクラブの会員限定サイトだという。ネットニュースで知っただけの身としては、いったい何が起きたのかわからない。わからないから、あることないこと思いを巡らせるしかない。
そして当然のごとく、あの国民的アイドルグループの解散と重ねてしまう。そう、SMAPだ。彼らが行った1度目の会見が思い出されてくる。解散はしないと言いつつも、メンバーの表情は硬く厳しかった。その場には、ヒリヒリするような緊張感さえ漂っていた。もしかして嵐もそんなことになっているのではないだろうか……そう思ったのだ。
発表から会見までのスピードが肝心になる
だが、そんな憶測も嵐の会見で見事に吹き飛ばされた。その1つは、会見のタイミングのよさにある。
大野智「先ほどファンのみなさまに向けてコメントを発信させていただきました」
会見が行われたのは、会員限定サイトで活動休止を発表してからわずか数時間後。謝罪会見とは異なるが、こういう場合も発表から会見までのスピードが肝心になる。発表から時間が経てば経つほど、何がどうなっているのか、知りたい欲求が雪だるま式に膨れ上がってくるからだ。
会見が遅れれば、まことしやかな情報や憶測、噂が流れ始める。今回はそんな噂が広がる時間すらなかった。同時に、ファンの不安や心配も大きくならないうちに払拭した。事前に情報が漏れないようコントロールされていたことも大きかった。
自分たちの言葉で率直に素直に話した
大野「僕たちの口から皆さまへお伝えさせていただきたく、この場を設けさせていただきました」
松本潤「ファンの皆様、僕らはそれぞれ色々なことを話し合った中で決断を出しました」
彼らは一番にファンの目線を大事にし、自分たちの言葉で率直に素直に話した。隠し事をすることなく、リーダーの大野さんから話が出た時期、ここまでの経緯などをきちんと説明するという姿勢を見せた。会見で誠意を示すには重要なポイントになる。ファンが不安になるような表現もない。質疑応答では記者に対して5人全員が一礼していた。
「無責任では?」と問いかけられると……
櫻井翔「2年近くをかけて感謝の思いを伝えていく期間を設定した。これは我々の誠意です」
二宮和也「リーダーが悪者に見えているのであれば、我々の力不足」
「無責任では?」と問いかけられると、櫻井さんがマイクを握る。声音が変わって早口になり、眉が上がり憤りが感じられるが、質問に異を唱えることなく「たくさんのパフォーマンスを見てもらい、その姿勢と行動をもって無責任かどうか判断していただく」と返した。
二宮さんも、「リーダーが悪者にされるのでは?」と聞かれて、声のトーンを強めた。5人でこそ嵐、5人は一蓮托生というメッセージであった。
5人が言外で見せたメッセージも、その言葉を裏付けていた。
彼らの仲の良さは評判だ。とはいえ、リーダーの大野さんの「自由な生活がしたい」という思いがきっかけとなって活動休止を発表するに至るわけで、互いの人間関係に変化はなかったのだろうかと、会見を見てみた。
舞台上に並んだ5人の立ち位置がとても近い。話している間も時おり互いに肩や身体がぶつかることもあれば、身体を寄せることもある。互いの関係が悪ければ、たとえ立ち位置が近くても、無意識のうちに相手から身体を遠ざけたり、相手の方を見なかったりするものだ。だけど彼らは笑い合い、声を掛け合い、いつもの嵐と変わらない。SMAPの会見では、見られなかったことだ。
「5人でなければ嵐でない」
コーディネートでも仲の良さを印象付けていた。それぞれが違う色のジャケットを着て、シャツとパンツを合わせているが、5人並ぶとそれぞれの着ている色が誰かの色と被っている。5人揃って1つの和になるようなコーディネートがされていた。
櫻井「どれだけ時間をかけても、全員が納得する形の着地点を探していかなきゃならない」
二宮「5人でなければ嵐でない。リーダーの思いを尊重する形で結論に至った」
松本「グループ活動を続けることはメンバーの強い思いがあってこそ」
相葉雅紀「ちょっとでも同じ方向を向いていないリーダーをずっと付き合わせるのは違うと思った」
話し合いはそれぞれが納得するまで、何度も持たれたという。これまでも5人で話し合ってきたという嵐は、凝集性が強いグループだ。メンバー同士が親密で、互いに引きつけられ、グループとして強く動機づけられていたと言える。そのため、違う方向を向いてしまったメンバーを抱えてしまえば、そのままグループ活動を続けることが難しくなる。納得した形での活動休止を強調するメンバーたちに、言葉と裏腹となるような仕草や動きはない。本当に納得しているのだと思う。
解散を考えたこともあったのだろう
大野「意見がまとまって気持ちがまとまってきたときに、メンバーに最後まで笑っていようと言われたときは、やばかった」
他のメンバーの話を聞いていた大野さん1人、何度となく口元に力を人れたり、唇を巻きこんだり、視線を下に落としたりしていた。メンバーたちが納得した上での結論とはいえ、「申し訳ない」と口にした以上に、その気持ちが強いのだ。だからこそ、笑っていようというメンバーの言葉に目を潤ませたのだと思う。
櫻井「解散ではないです」
「解散では?」という問いに、マイクを握る手を持ち上げて反応したのは櫻井さんと松本さんだ。櫻井さんは大野さんの思いを理解したといい、松本さんは過去に「自分たちがいい形であるうちにグループを閉めることを考えた」という。櫻井さんが「解散ではない」ときっぱり否定したが、2人は解散を考えたことがあったのだろう。
一瞬、その場に違う空気が流れるが……
二宮「反対というか、できませんか、という相談はしました」
「反対した人はいなかったのか?」という問いに、メンバー全員の動きが止まった。一瞬、その場に違う空気が流れるが、マイクを持つ手が動いたのは二宮さんと相葉さんだ。
最初に大野さんから聞いた時は「衝撃だった」という二宮さんは「何かできることはないか」と言い、「ひっくり返った」という相葉さんも「どうにか嵐を続ける方法はないか」と話したという。2人は嵐でいたいという思いが強かったのだろう。だが、櫻井さんはこの問いに答えるのは難しいと続けた。対立、仲違いという報道が少しでも出ることを避けたかったのだろう。「ケンカや言い合いは?」と聞かれ、メンバーたちが笑いで返したのもその理由だ。
「嵐という冠のついた番組は終わるのか」と問われた時も、メンバーは全員動きを止めた。そこから反応したのは、大野さんを除くメンバー4人。「思い出す楽曲は?」との問いにも、マイクを口元に持ったのは4人。嵐というグループでの立ち位置や関わり方が、すでに違っていることがわかる場面だ。
残りの期間、彼らはどんな景色を見せてくれるのだろうか。
- 40665 - = =2019/1/30 9:42:18
嵐 大野智が謝罪会見に至った4年前の熱愛報道 「人生ぶん投げてやってきた」20年
2019/01/29
国民的アイドルグループ「嵐」が2020年12月31日をもって活動を休止することを発表した。これは2017年6月に大野智がメンバーたちに「自分の嵐としての活動をいったん終えたい」と切り出し、メンバー間の話し合いを経て昨年事務所と合意したものだという。午後8時には、ジャニーズ事務所にて5人そろっての記者会見を行った。
大野智は「一度何事にも縛られず、自由な生活がしてみたい」とメンバーたちに告げたそうだが、国民的アイドルグループに成長した「嵐」のメンバーには、その栄光の対価として不自由がつきまとってきたということだろう。レギュラー番組の定期的な収録、コンサート、新曲制作、アイドル雑誌取材、ドラマや映画……長くまとまった休暇を取ることはなかなか難しく、常に「先のスケジュール」が埋まっている。のみならず、プライベートの人間関係も限定される。特に、恋愛と結婚に関してはその影響が強い。
大野智は2015年9月に、「フライデー」で10歳年下の元女優との岩盤浴デートおよび同棲を報じられたことがある。このときの対応が異例のものだった。大野は翌日のコンサート開演前にマスコミ記者会見を開き、「僕の軽率な行動でファンの皆様を悲しい気持ちにさせてしまったこと、反省し、申し訳ない気持ちでいっぱいです」「友人の1人で同棲という事実は一切なく、お付き合いも一切していません。もう会うことも一切ございません」と交際を否定した。
女性との交際を報じられて、謝罪会見をするというのはそうそう聞く話ではない。特にジャニーズアイドルは、常に誰もが熱愛報道のターゲットにされており、いちいち対応していては身がもたないだろう。それでも大野が会見してのは、相手が大手事務所の現役女優ではなく、一般女性だったためなのだろうか。
その女性との交際は、女性のSNSから“証拠”がザクザク見つかるとして、ファンの間でも話題になっていた。昨今“匂わせ女叩き”が流行りだが、その女性も“匂わせ”をファンから大いにバッシングされた。大野が謝罪したのは、女性を守るためだったのか、それとも本当に熱愛報道が誤解だったからなのか。
二宮和也は「いい大人が人生ぶん投げてやってきた」
おりしも2015年9月には、TOKIO国分太一が結婚を発表している。このとき、ジャニーズ事務所社長であるジャニー喜多川氏は、「遠慮なく適齢期になったら結婚すべきです」と明言。これを受けて、「週刊女性」(主婦と生活社)記者が情報番組『直撃 LIVE グッディ!』(フジテレビ系)の生放送で、ジャニーズタレントが結婚を検討するとき、ジャニーズ事務所幹部とどのような話し合いがもたれるかを瀑露した。
番組では「ジャニーズでは1グループ1人しか結婚を許されない」という都市伝説を紹介しつつも、ジャニーズタレントの結婚に肯定的な見方を示したが、「週刊女性」記者は、「ジャニーズ事務所は所属タレントの結婚に反対しないが、『いま結婚すると、ファンはこれくらい減りますよ、グッズの売り上げが減りますよ。それでも結婚しますか?』とデータを全部見せる」との情報を投下。これが事実であれば、客観的なデータを示しただけだとしても、タレントにとっては“脅し”として機能する。
嵐がジャニーズ事務所の稼ぎ頭であることは疑いようもない。特にコンサート開催で得られる収益は莫大だ。そして前述した大野の熱愛報道で相手女性がバッシングされたように、一部のファンは彼らの熱愛報道が出ると、相手女性が国民的アイドルに相応しいかどうか、非常に厳しく審査してきた。
二宮和也が2014年から交際中と目される伊藤綾子は、“匂わせ”で盛大に嫌われ、「ニノが結婚するのは仕方ないけど、綾子だけはダメ」と叩かれる始末。一方、ドラマ共演から“純愛”を貫いているとされる松本潤と井上真央は、松本の浮気報道を経ても交際継続中と見られており、井上をバッシングするファンは皆無だ。また、相葉雅紀は一般女性と、櫻井翔はテレビ朝日アナウンサーの小川彩佳との交際を報じられている。
全員が30代後半の嵐だが、彼らにはアイドルという仕事とは離れた個人としての人生設計もあるだろう。また、デートにしろ旅行にしろ、常に追い回されて監視の目を感じながら楽しめるほど、神経の太いアイドルばかりではないはず。10代から不自由に耐えてきた彼らが「自由」を求めるのはなんらおかしなことではない。
今年CDデビュー20周年の節目を迎える嵐。記念すべき5大ドームツアー『ARASHI Anniversary Tour 5×20』の初日MCでは、二宮が「20年やってきてどうですか」という質問をされるたび、「(記者に自分たちの気持ちが)わかるのかよ」「いい大人が人生ぶん投げて、肩組んで20年やってきて、そんな甘っちょろいものじゃない」と語ったことも大いに話題になった。その発言をしたときにはすでに、活動休止が決定していたわけだが、大野以外のメンバーにも、多かれ少なかれ「自由な人生を取り戻したい」という気持ちがあっただろう。