「東京スポーツ」1999.7.13(一面)。
「やはりいた!! 長瀬智也 いしだ壱成 堂本光一」「乱交現場&TBS社員名刺」
?今回は、「よくできているなあ」と感心した例。
?若手芸能人らが参加した乱交パーティーというものがあったんだそうで、それを報道した「噂の真相」という雑誌によると、その舞台となった、芸能プロ社長のマンションのトイレに、その社長と芸能人が一緒に映った写真が多数貼ってあったのだそうだ。
?そして、それを受けて、東京スポーツが、そのトイレの写真を写したという写真をドーンと大公開。
?しかし、どの写真も完全にぼけていて、誰が誰やらわからない。
?記事を読むと、その写真の持ち主の女性によると、
いしだ壱成、長瀬智也、堂本光一、そしてY社長らが写っている」という。
と書いてある。つまり、そう言っているんだからそうなんだろう、というだけで、ほんとうなのかどうかはさっぱりわからないのだ。
?写真説明にも、服を着た男性6人がベッドの上でカメラに向かってポーズを取っているものに、「乱交パーティーで使った?ベッドの上で記念写真。いしだ壱成(中央)、長瀬智也(右から2人目)、堂本光一(左から3人目)」などと書いてあるのだが、もしかすると長瀬はそうかな、という程度で、あとはそうなのか違うのかもかわからないぼけぼけ写真で、これでは証拠にならないではないか。
?よく読むと、「Y社長のマンションで乱交パーティーがあったろいう報道があった」ということと「Y社長が多数の芸能人と一緒に映っている写真があった」ということを結びつけ、写真に写っている芸能人が乱交パーティーに参加したという印象を与えるてはいるが、彼らが参加したとはどこにも書いてない。
?唯一、参加したという書き方がされているのは、写真を公開したという女性の談話として、芸能プロの社長が、「パーティーに参加していた堂本光一の弱みを握っていたため、『ウチの娘を光一とデートさせて、つきあわせる』と言ってました」あるだけで、これが「『つきあわせている』と言っていました」なら裏付けのとりようがあるが、「つきあわせる」では実際にそうしたかどうかは全くわからない。
?考えてみれば、芸能人が芸能プロダクションの社長と一緒に写真を撮ったって不思議はないし、そもそも、乱交パーティーに参加したとしたら、男ばかり6人(しかもしっかり服を着て)で記念写真を撮るとは思えない。
?見出しに「乱交現場」とあるが、乱交している現場の写真ではなく、乱交があった(かもしれない)現場(と思われる場所)の写真というのがのっているだけ。
?たしかに、交通事故の現場検証といったって、事故が起こっている最中に検証しているわけではなく、後からその場所を検証しているわけだから、「乱交現場」と言ったって、「乱交の最中」という意味とは限らないわけだ。
?この記事は、芸能人が参加したという印象を与えてはいるものの、よく読むと参加したとは断定していないのがわかるという、手のこんだ書き方をしていて、さすが東京スポーツ。
?ついでながら、『噂の真相』によると、ほかにTOKIOの松岡、山口の写真もあったんだそうな。
?城島リーダー、こういうところであぶれちゃって、よかったのか悪かったのか。嘘でも、「パーティーに参加していたが、おやじギャグを連発して女の子をしらけさせていた」ぐらい書いてやればいいのに。そうすれば自分でそれをネタにして松岡に突っ込んでもらう、というのができたのに。
?そこまで話を作ってあれば、東京スポーツに座布団一枚! だったんだけどな。