佐世保市教育委員会の西本真也教育長は12日の市議会文教厚生委員会で、市内が舞台の映画「坂道のアポロン」の無料観覧券を事前に説明せず市内の全中学生に配ったとして陳謝した。今年度予算で未執行だった548万円を事業費に充てたが、委員からは「予算の転用だ。議会の同意を得るべきだった」「授業の充実に使うべきだ」などと批判が出た。

 市教委によると、映画封切り(10日)を控えた7日、私立と県立を含む全中学生分の6850枚を印刷。9日の市議会で、朝長則男市長が「キャリア教育の一環で中学生に無料鑑賞の機会を設けることを検討する」と答弁したのを受け、学校を通じて配布した。

 548万円の本来の使途は、パソコンのリース料やプール授業用のバス借り上げ料など。西本教育長は「使わずに済んだものを集めて、年度内に必要な事業に使わせていただいた」と釈明した。【峰下喜之】

〔長崎版〕