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4月25日の夜からテレビもネットも話題は、TOKIO?山口達也メンバーのことばかり。何しろ、容疑が「強制わいせつ」というセンセーショナルなものだけに、無理もないでしょう。
あらためて経緯を書くと、今年2月12日、山口メンバーは東京?港区の自宅マンションに顔見知りの女子高校生を呼び出し、卑猥な言葉を投げかけ、無理やりキスしたことで、警視庁が書類送検。NHKの速報を皮切りに各メディアが一斉に報じたあと、26日14時から「約50分における涙の謝罪会見」が行われました。
会見での憔悴ぶりに「かわいそう」と感じた人もいたようですが、山口メンバー本人と、ジャニーズ事務所の対応には、疑問を抱かざるをえないところが多々ありました。しかもそれは、ビジネスパーソンと会社にとってひとごとではないのです。
■過去の行いが自分に降りかかる
「山口メンバーが会見で見せた表情や言葉にウソはなさそう」と感じた人が多かったようです。「真摯に向き合おう」とする姿勢と、「自分でもどう受け止めたらいいかわからない」という戸惑い。見る者に両方を感じさせたという点では、「謝罪会見らしく、率直に話していた」ということになります。
ただ同時に、「懲りない人」という印象を決定づけたのも事実。会見の前後でワイドショーやネットメディアは、2011年の無免許運転(書類送検、不起訴)における「気づかなかった。自分の過失です」という謝罪会見、2016年8月の「自分が未熟で自分本位で」という離婚会見が繰り返し報じられました。
今回も含めて3度も会見を開いたわけですから、どんなにスピーディーで正直に話しても禊(みそぎ)にはならず、潔い印象を与えることにはつながりません。たとえば、山口メンバーは「隠蔽ということはありえない」「(未成年を部屋にあげたのは初めて? )はい」と話していましたが、「これまでの流れがある以上、しらじらしい」と思われてしまうのです。
実際、2016年7月4日、「ZIP!」(日本テレビ)に眼帯姿で登場し、「自転車で転んでケガをした」と話す様子を意味深に伝えるメディアもありました。それどころか、離婚会見も「さわやかだった」というこれまでの評価から一変して、「アイドルらしく、自分に酔っていただけだった」と斬り捨てる人すらいます。
ここまで騒ぎが大きくなってしまうと、過去の粗探しは止まりません。2008年にモデル女性との結婚と子どもができたことをファンに発表したシーンが各番組で流され、「もともと他のメンバーやファンを差し置いて、結婚?第一子誕生を押し通してしまう自分勝手な人」という形で、今回との辻褄を合わされてしまうのです。
そんな過去の自分が招いた逆境の中、山口メンバーは、謝罪会見で言ってはならないことを口走ってしまいました。
■謝罪会見で絶対に語ってはいけないこと
山口メンバーは「これからどうしていくというのは、私に言う権利はないんですけど、山口達也、TOKIOでありたいと感じています」「(TOKIOの)彼らを信じて、もし待ってくれる場所?席がそこにあるなら、『またTOKIOとしてやっていけたらな』という……」などとTOKIOへの思いを語ってしまったのです。
謝罪会見では、「非を認め、謝罪することに徹し、今後の希望を語ってはいけない」というのが大原則。もし希望があったとしても、それを口に出してしまうと、「けっきょく被害者より加害者の自分が大事なんでしょ」と思われてしまうだけで、会見を開いた意味がありません。
逆に、TOKIOの城島茂さん、国分太一さん、松岡昌宏さん、長瀬智也さんは、一切の許しを与えることなく、山口メンバーを断罪し、被害者や世間への謝罪に徹しました。山口メンバーは自身で、「甘いところがあった」と話していましたが、やはり他の4人と比べると、甘さは否めないことが露呈したのです。
そして、山口メンバーの事件は、「トップアイドルの不祥事」というトピックスで報じられていますが、これはそのまま「企業トップ(クラス)の不祥事」に置き換えることが可能。山口メンバーは「トップアイドルとしての自覚が足りなかった」と言われていますが、これは一般のビジネスパーソンも同じです。役職が上がるほど、不祥事によるダメージは大きくなり、取り返しがつかないものになっていくでしょう。
また、役職の有無を問わず、他山の石にしたいのは、山口メンバーの「司会者として女子高生たちを仕切っている」というおごり。潜在意識の中におごりがあったから、酒を飲んだときにそれがあらわになり、女子高生を夜に呼び出し、罪を犯してしまったのです。
これはビジネスパーソンも、「管理職として社員や取引先を仕切っている」とおごっていたら、「罪を犯してしまうスキが生まれる」ということ。「部下や取引先に対するおごりはないか?」。決して対岸の火事ではなく、自らに照らし合わせて考えることで未然に防ぎたいところです。
当然ながら、お酒は免罪符になりません。タレントだけでなくビジネスパーソンも、プライベートも含めた日ごろのセルフマネジメントが問われる時代になっているのです。
■冒頭に「つい最近まで知らなかった」
一方、ジャニーズ事務所の対応にも、疑問を抱かざるをえない点がありました。
ジャニーズ事務所がコメントを出したのは、NHKが報じたあとであり、自らの発信ではありません。しかもその内容は、「お酒を飲んで、被害者の方のお気持ちを考えずにキスをしてしまいましたことを本当に申し訳なく思っております。被害者の方には誠心誠意謝罪し、和解させていただきました」というものでした。
発信のタイミングに加えて、メンバーのコメントよりも短いところに、あわてて出したような印象があふれています。また、わざわざ「キス」と限定して憶測を防ぎ、すでに「和解」済みであることを強調。「ダメージコントロールしたい」という気持ちは理解できるものの、その文面はあまりに露骨すぎたのです。
被害者が訴えを取り下げたとしても、「警視庁が書類送検した」ことに変わりはありません。「事件から2カ月以上が過ぎ、和解が成立したタイミングでNHKが報じた」「その間も山口メンバーは多くの番組に出演していた」などの不可解な点もあるだけに、「認識が甘すぎる」と事務所もダメージを受けてしまったのです。
初期対応のまずさだけでなく、会見でも疑問を抱く点がありました。
冒頭、顧問弁護士が、「会社が知ったのは“つい最近”のことでした。本来であればもっと早くみなさまにお詫び、ご報告しなければならないことが多々あったわけでしたが、本日に至ったことを“私からお詫びしたい”と思っております。申し訳ございませんでした」と謝罪。これらのフレーズに違和感を抱いた人が多かったのです。
その理由は、真っ先に「つい最近知ったから2カ月以上すぎてしまった」という言い訳を話し、マネジメントをする自分たちではなく、弁護士に謝罪させたから。弁護士の同席は当然ですが、一般企業なら経営者か担当部署のトップが同席し、頭を下げていたでしょう。しかし、ジャニーズ事務所は隠れてしまったことで、企業側としての謝罪姿勢はまったく伝わってきませんでした。
その結果、「2カ月以上もの間、隠蔽していたのではないか?」「水面下でもみ消しを図っていたのではないか?」「今回はもみ消しが失敗したから、表に出てしまったのではないか?」という憶測が飛び交う事態を招いてしまったのです。
■「無期限謹慎」の処分は重いのか?
その後も、「山口は酒を飲んで、彼女たちは飲んでいなかった」「本人は相当酩酊状態で、記憶が若干明確ではない状態」「誠心誠意お詫びをし、結果としてお許しは頂戴しております」などと、弁護士の釈明は続きました。
さらに、「被害者の親御さんから頂戴したコメント」を読みはじめたのです。それは、「娘にも山口にもこれからがあります。この過ちで一人の人間の未来がすべて奪われてしまうことは私たちも望んでおりません」という予防線でした。
なぜ加害者サイドの弁護士が、被害者側の心情を読み上げるのか、不自然である上に、あまりに予防線を張りすぎたことで、会見場にいた記者たちは辟易とした人が多かったそうです。
弁護士は、「刑事処分や関係者との協議が未了の状態ではございますが、事務所、会社としては本人の今後の芸能活動については無期限の謹慎とすることに決定いたしております」ともコメントしました。つまり、「まだこれほど厳しくする必要はないのだけど、早めに対応しました」と言いたいのでしょう。
しかし、これを聞いた人々が「厳しい」と思うかは疑問。「甘い」「都合がいい」とも取れる処分であり、やはり「事務所として深刻に受け止めている」という姿勢は伝わってきません。たとえば、「グループ月兑退や解雇などの処分も辞さない」と含みを持たせることで、より深刻に受け止めている様子を感じさせることはできたはずです。それをしなかったところに、「できるだけダメージを最小限にしたい」という事務所サイドの思惑が見えました。
ジャニーズ事務所のタレントは、SMAPの解散報道以降、週刊誌、スポーツ新聞、ネットメディアで、大小さまざまなスキャンダルが報じられてきました。そのたびに、「事務所がスルーした」「忖度か圧力か、テレビ局が扱わなかった」など、庶民感情とはかけ離れた事態が続き、イメージは悪化する一方。一刻でも早く、新たな危機対応のノウハウを導人し、問題児のマネジメントを考え直したほうがいいでしょう。
ジャニーズ事務所も、みなさんの会社に置き換えて考えるとわかりやすいものがあります。わが社の危機対応はどうなのか? 問題児のマネジメントはどうなのか? 「自分の担当ではないから」ではなく、一人でも多くの社員がそれを考えることが、最大の事件抑止力になっていくのです。
■日本テレビだけ対応が遅れた理由
あらためて今回の事件を振り返ると、報じられているように相手の女子高生が「Rの法則」(NHK Eテレ)の共演者であれば言語道断。Eテレ制作だけに、学生への教育的な意味合いが強く、司会の山口メンバーは先生や保護者のようなポジションにあたり、被害者のみならず、その他の共演者や視聴者に対する罪は重いのです。
また、このところいくつかのセクハラ問題がニュースとなっていましたが、山口メンバーは、それらを報じる「ZIP!」(日本テレビ系)に出演していました。そもそも、性的スキャンダルの不安がないからキャスティングされているのであって、その点でも自分の立場を理解し切れていなかったのです。
これをビジネスパーソンに置き換えると、「役職が上がるにつれて、自分の認識以上に不祥事でつるし上げられやすくなる」ということ。自分のみならず、会社に大きなダメージを与えるほどの役職だからこそ、多くの報酬を得られることを肝に銘じておきたいところです。
最後に話を日本テレビに移すと、最初にNHKが報じたあと、民放各局もすぐに続きました。しかし、「ZIP!」のほか、「ザ! 鉄腕DASH!!」「幸せ! ボンビーガール」に出演させている日本テレビだけ、明らかに報道が遅れてしまったのです。
社内各部署での共有や意思決定に時間がかかったのは想像に難くありませんが、ここまで世間を騒がせる事件であれば、もう少しオートマティックでスピーディーな対応ができたはず。「社内の調整に追われた」「ダメージの少ない方法を考えすぎてしまった」のだとしたら、これもビジネスパーソンにとっては他山の石にすべきポイントと言えるでしょう。
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【まさか】あのデイリースポーツまでが “山口達也” を1面で報じたこの日「東京中日スポーツ」が…
2018年4月26日、国民的人気アイドルグループ「TOKIO」の山口達也さんが謝罪会見を開いた。その中で無期限謹慎やアルコールとの関係が明かされたが、これまで抜群の好感度を誇った山口さんだけに騒動はしばらく収まりそうもない。
当然ながら、スポーツ新聞各紙は会見の様子を1面で報じており、なんとあの「デイリースポーツ」までが阪神タイガースを差し置き 山口さんをトップで扱っている から驚きだ。だがしかし、その裏で東京中日スポーツが偉業を達成していたことを知る人は少ないだろう……!